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01.06.2010 | THE WATCH & JEWELRY TODAY
この社名変更は、マーケット・エクスパンション・サービスプロバイダーとして既にスイス、欧州そして特にアジア・パシフィック地域において高い信頼を得ているDKSHの名称を社名にすることで、DKSHグループの強い統一ブランド力を日本でも活用し、グループシナジー効果を一層高めることを目的としたもの。DKSHグループのCEOで、DKSHジャパンの社長を兼任するヨルグ・ヴォレ氏に話しを伺った。
現在のDKSHグループそして DKSH ジャパンについて教えてください。日本では長く親しまれてきた「日本シイベルヘグナー」が消えてしまったのではという声もあります。また日本では消費財を扱う企業として知られていますが、他の事業についても改めて教えていただけますか。
まず、グループ全体のことについてお話したいと思います。DKSH は、スイスに本社を置く株式非公開会社で、35カ国560の拠点で事業を展開しています。DKSH は単なる「商社」ではなく、マーケットエクスパンションサービスプロバイダーです。個々の企業が目標を達成するための包括的なサービスパッケージを提供することで、ビジネスパートナーが既存市場と新規開発市場の両方で成長することを支援します。当社のビジネスは、単に商品を売買したり、販促したりすることではありません。大切なのは、商品、ブランド、あるいはクライアントの評判まで含めて、真摯に責任を負うというサービス理念です。
DKSHグループは、140年以上前からアジアでビジネスを展開してきました。現在のビジネスの97%がアジア内あるいはアジアとの取引です。ディトヘルムケラーグループとシイベルヘグナーグループが2002年に統合してDKSHが誕生し、その後DKSHはグループとして急成長しました。2002 年以降、毎年2 桁台の前年比成長率を達成し、今日では売上、利益ともに合併当時に比して2 倍に増大しました。DKSH はビジネスコンセプトを全面的に設計しなおし、従来型の商社から専門的なサービスプロバイダーへと変身を遂げました。多様なサービスを提供するビジネスモデルは、合併前のディトヘルムケラー、シイベルヘグナーのいずれでも実現不可能だったといえます。
また近年新しい株主を弊社に迎え入れたことで、DKSHの財務基盤はさらに安定しました。DKSHグループは、事業規模の面でスイスの上位20社にランクインしています。2009 年の総売上も86 億スイスフラン(約7600 億円換算)を超えています。
日本はDKSHにとって最も重要な国であり、グループの大切な支柱のひとつです。DKSHジャパンの前身である日本シイベルヘグナー社は、1865年に横浜で設立され、日本の外資系企業の中でも最も歴史ある企業であり、現在のDKSHグループの源流となった大切な会社の一つです。そしてお伝えしておきたいことがあるのですが、それは、伝統あるシイベルヘグナーの名前と精神は消えてしまった訳ではなく、今でも社名や精神、社風の中に生き続けているということです。DKSHのSH はシイベルヘグナーのイニシャルなのです。DKSHという新社名は、ディトヘルムケラーとシイベルヘグナーが合併した2002年に命名されたものですが、この両者のイニシャルを結びつけた新社名は、創業のルーツをはっきりと伝えています。
業務の内容についてお話ししたいと思います。現在、DKSHのグローバルビジネスでは消費財、生産資材、ヘルスケア、テクノロジーという4つの事業部門を柱に展開しており、日本では、ヘルスケアを除く他の3つの事業部門が活動しています。日本では消費財事業部門が知られているため、DKSHを時計専門の商社だと思っている方が多くいらっしゃると思いますが、DKSHのビジネスポートフォリオはもっと多様性があり、更なる成長と事業拡大を創出し、相乗効果を発揮しています。
DKSHジャパンの社長就任から約2 ヶ月が経とうとしています。グループCEOとしての重責と兼務ということですが就任にはどのような背景があるのでしょうか。グローバル及び日本における大きな成長戦略や成長目標などがあればぜひお聞かせください。
日本はDKSH グループ全体にとって大切な国であり、重要な支柱のひとつです。2002 年の合併以来DKSHグループは、ビジネスモデルの見直しを着実に進め、より強固な財務基盤を築きあげてきました。DKSHのブランディング活動は、世界規模でビジネスを展開するDKSHのポジションを強化するために非常に重要なプロジェクトですが、グループの源流の一社でもある日本シイベルヘグナーをDKSHジャパンへと社名を変更するということは、ビジネスと「ブランド」力を強化する意味でも非常に重要なことでした。
そしてグループの源流国である日本、フィリピン、シンガポールの一連の社名変更プロジェクトをこの春無事完了し、「DKSH」という社名が各国で統一されました。DKSH という統合共通ブランドを掲げれば、日本やシンガポールなどの各地の現地企業が、DKSH グループのグローバルな相乗効果を利用してさらに発展できるということを、世界に力強く訴えることができます。
DKSH は、アジア重視というビジネスのおかげで、合併以来世界的な金融危機にもかかわらず、ダイナミックな成長を続けています。また頑強な財務基盤のおかげで、困難な経済状況の中でも内部成長と買収を通じて事業を拡大することができました。2009年だけでも、5社を買収していますし、2010年第一四半期にも好業績を達成し、2010 年は昨年以上にダイナミックな1年になりそうです。ここ日本にはすばらしいメンバーがいますし、多くの面で優れた可能性があると考えていますので、これから日本が成長を達成し、その達成する姿を実際に見たいと思っています。日本は常に私が心を寄せている国ですから自ら率先してイニシアチブをとりたいと考え今回就任となった訳です。2012 年までの3 年の間に利益倍増と社員数倍増を達成したいと考えています。
DKSHは、アジアを重視する、グローバルなマーケットエクスパンションサービスプロバイダーのリーダーになるというビジョンを掲げています。「アジアでの事業拡大やアジアとの取引拡大を考えているなら、まずDKSHに相談をしよう。」そう皆様に考えていただけるよう、DKSH が成長の可能性をフル活用し、同時にクライアントや顧客の皆様の事業拡大をお手伝いできるような成長戦略を用意しています。簡単にいえばそれは「本分を守る」ということで、より効率的に得意分野の仕事を続けるということです。今後DKSHは、既存の地理的事業地域を重視しながら、サービスの強化とバリューチェーンの拡大に努めます。同時に効率をさらに改善し、営業の改善や国際的な相乗効果の拡大にも力をいれていきます。そして、内部成長を重視しながら、中小企業の買収を中心に企業買収を通じた成長にも力を入れていきます。グループの戦略会議においても、DKSH にとって日本が重要市場であることが再確認され、新事業や業界エキスパート、IT やその他のインフラなどにさらに投資をすることが決定されたところです。
グローバルレベルでは、2012年までにアジア重視のマーケットエクスパンションサービスのリーダーになるということが、私のビジョンです。「アジアでの事業拡大を考えているならまずDKSHに。」そう皆さんに考えてもらいたいと思っています。
とくにDKSH が狙っている市場や分野、また成長を見込んでいる市場や分野などはありますか。
アジアでの、そしてアジアとの取引がDKSH のビジネスの中心です。当社は、利益の97%をアジアで得ていますし、アジア重視の姿勢は今後も変わりません。世界中どの国の企業でも、アジアでの営業やアジアとの取引を考えている企業があれば、DKSH はビジネスパートナーとしてその企業の市場拡大をお手伝いします。事業については、既存の4 事業部門(日本ではこのうち3部門が活動)を今後も重視する意向です。これらどの事業部門にも、大きな成長機会があると思っていますし、部門間の相乗効果も拡大したいと考えています。
市場に関して言えば、今後数十年間、アジアは世界でもっとも急成長する市場であり続けるでしょう。したがってアジアは、原料の調達源、製品の販売先あるいは製造拠点として、多数の企業にとって巨大な成長可能性を秘めています。
もうひとつの側面として、アジア市場参入の需要が増大していることがあります。西洋市場の売上削減の打撃を受けて、多くの企業が新市場への参入機会を求めています。世界で最も急成長を続けているアジア市場は、そうした企業にとって大変魅力的です。DKSH は、リスクを管理しながらアジアで事業を拡大する際に頼るべきパートナーとして定評があります。我々をパートナーとして利用すれば、サプライヤーのために固定費を使わなくても、素早くアジア市場に参入できます。メーカーも当社と協力すれば、自社の販売流通インフラを維持したり、進出予定のアジア市場に子会社を設置しなくても済みます。
消費財事業とラグジュアリー&ライフスタイル部門のグローバル戦略について教えてください。
最近当社はヘグマイヤー・コサ・リーベルマン社を買収し、グローバルなプレゼンスを拡大しました。この買収は当社にとって重要なステップで、高級時計およびライフスタイル製品のポートフォリオを拡大したことになります。複数のブランドに加え300名強のスタッフを迎え入れ、韓国、台湾、香港でプレゼンスを拡大することで、高級品&ライフスタイル製品事業部門を強化することができました。更にグァムやサイパンにまで事業を拡大することで高級品&ライフスタイル製品分野における地位を強化し、アジアにおける高級品のマーケティング、販売、流通を行う大手独立ブランドおよびサービスプロバイダーとしての地位をさらに高めることができました。
DKSH は世界におけるプレゼンスを一層拡大し、ビジネスパートナーの事業拡大をさらに多様な方法で支援したいと考えています。
DKSH ジャパンのラグジュアリー&ライフスタイルにおける戦略について教えてください。
DKSH のラグジュアリー&ライフスタイル製品事業部門は、世界で最も有名で権威ある高級品ブランドを数多く扱っています。国際的なメーカー企業が市場にアクセスし、アジア、特に日本への事業を拡大するのをサポートしています。DKSH の主要戦略は、ローカルマーケットでのブランド構築によるプレゼンスの拡大と卸売および単一ブランドの小売流通です。取扱ブランドのためにアジア全域をカバーする地域に密着した企業になりたいと考えています。今は主に既存のブランドおよびマーケットポートフォリオの開発を重視していますが、有望な新ブランドを選択的にポートフォリオに追加することにも力を入れています。
DKSH が今後扱っていきたい時計はどのようなものですか?
独立系時計メーカーの製品は、信頼と長期展望に基づいて営業するというDKSH の経営方針にマッチしています。大手グループが市場の70%を支配している時計業界において、当社はアジア進出を目指す新興高級品&ライフスタイル製品ブランドに対してサービスを提供できる唯一の独立系サービスプロバイダーです。市場参入調査からコンサルティング、マーケティングキャンペーン、適切な販売環境の特定およびアクセスまで、初期段階から新興ブランドをサポートすることができ、その提供サービスは、ブランドの高級感をさらに高められるように策定されています。
日本のビジネスパートナー、そして消費者が今後DKSH に期待できることはどのようなことですか。
何よりもまず私たちを信頼してください。DKSH を頼ってください。これまで140 年間にわたって日本で事業展開してきたように、良いときも悪いときも、DKSH は常に皆さんのそばにいます。シイベルヘグナーの頃の心は今も生きており、1865 年に創業者が横浜で会社を創業して以来、その精神は全く変わっていません。会社がグローバルかつ大規模になり、巨大な背景を持つようになった今も創業当時の精神は輝き続けています。世界をリードするマーケットエクスパンションサービスプロバイダーとしての我々の地位は、ビジネスパートナーそれぞれのニーズに合わせてテイラーメードされた、多種多様なサービスを提供する能力に基づいています。我々は、調達、調査・分析、マーケティング、販売、流通・ロジスティックス、そしてアフターサービスまでを含む、あらゆる製品の全バリューチェーンの全体を組織運営する、包括的なサポートパッケージを提供しています。DKSH は、グローバル市場と事業拡大の機会をお届けします。アイディアあるいは何か困ったことががあれば、まずDKSH に声をかけてください。我々が、そのアイディアを実現するお手伝いをいたします。(了)
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